【夏のたいあお(後編1)】

【夏のたいあお(後編1)】

太陽『かー!!海は広いなぁ!!青いなぁ!!』

葵『テンプレみたいなこと言わないでくれるかな。』

もう暑い帰りたいはぁ。
普通の男なら水着の美女を見て興奮するんだろうけどあいにく僕は女が好きじゃない。

ねちねちめんどくさいから。

太陽『まぁ、お前は海とか入らないってのは分かってるからなぁ(笑)あ、今暑いって思ったろ。』

にやにやしながら僕を見る太陽を心底蹴飛ばしたいが図星だから口ごもった。

葵『何?言ったら買ってきてくれるの?』

太陽『当たり前!!お前はあれだろ!コカコーラ!!』

ズバリ!!と言ったような顔でドヤ顔するこいつ。

はぁ。悔しいけど当たってる。

葵『分かってるなら買ってきてくれ。』

太陽『ハイハイ(笑)』

太陽がつべこべ言いながら立てたパラソルの下にビニールシートを引いてそこで体育座りしながら太陽を待つ僕。

シュールだ…
いやむしろクソ陰キャだ…

チンピラ『おいそこの糞ガキ。退けよ。そこは俺たちが場所取りしてたんだよ。』

はい出ましたー。
夏と海をかけあわせると必ずと言ってもいいほど出てくるこいつ。チンピラ。

葵『分かりました。退きます。』

チンピラ『おうおうってんだよその目。喧嘩売ってんのか。ガン飛ばしてんじゃねぇぞ。』

葵『いえ、元からです。やめてもらっていいですか勘違いで人を責めるの。』

つい出てしまった正論。
はいBADEND。
さようならー。今日は暑い日だね。

勢いよく胸ぐらを掴まれて唾が飛ぶくらいの位置に顔が来る。

チンピラ『てめぇこの野郎馬鹿にしてんだろ!!!』

すると後ろからナイスタイミングで相棒が来る。
とかいう漫画のオチみたいなの経験したかったです。

太陽『すいません。退きますから離してもらっていいですかね。ここ、割と人目に付くんですよ(笑)そのうち警察とか呼ばれちゃいますよ。』

え、あー。
ないすぅ…
ないすぅ…
ないすぅ…
【語彙力】

チンピラ『ッチ…行くぞ。』

僕を突き飛ばして歩いていくチンピラ。

太陽『葵大丈夫か!?もおおおお!目を離すといつもお前は!!』

葵『太陽。お前。オチわかってるじゃーん。』

【続く】

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