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哲学芸人マザー・テラサワの月例読書会。今回は政治哲学者マイケル・サンデルの『公共哲学』でございます。私が末席の末席で研究の世界に在籍していた20年ほど前、「公共哲学」は社会科学のホットなテーマとなっていました。それは9.11に象徴されるような社会の分断が如実になって来たことの不安や、それだからこそ共有できる価値を再構築したいという願望に因ると勝手に考えています。現代ではネットのエコーチェンバーみたいな事含めて分断は加速化し、公共哲学をどこにどうやって見出すかも更に困難な状況が進行していると実感する次第です。
だからこそ、この本の価値はあるかと思っています。サンデルが言及するのは特にアメリカですが、①アメリカが建国の理念として公共を尊んで来たこと、②アメリカ政治において道徳の問題がどう論争になってきたのか、③アメリカの価値を考える上で外せない「リベラリズム」「コミュニタリアニズム」についてのサンデルの見解、が特に述べられています。
1990年代〜2000年代初頭の論文で隔世の感があるものの、現代のアメリカが起こっている事がこれらの議論の延長線上にある事を踏まえると、トランプ現象など含めた出来事がなぜ起こっているのかも深く理解できるかと思われます。
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