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■配信チケット:¥2,800
【出演】
田中宗一郎(編集者/DJ/音楽評論家)
宇野維正(映画・音楽ジャーナリスト)
【司会&ゲスト】
深町絵里(ラジオDJ/ライター)
「こんばんは、宇野維正です」。と、渋谷陽一風に書き出してみましたが、今回は一人でこの告知文を書いてます。イベントまで約1週間に迫った現時点で田中宗一郎は入院3ヶ月目。今この瞬間も日夜リハビリに励んでいます。果たして彼は『ワン・バトル・アフター・アナザー』を、『スプリングスティーン 孤独のハイウェイ』を、イベント当日までに観ることができるのか? かく言う自分も今年は6月から7月にかけて入院していたので(入院のバトンタッチ…)、そこから完全な社会復帰までしばらく時間がかかるであろうことは身に沁みてわかってます。なので何度も確認しましたよ。本当に中止にしなくて大丈夫なのかと。でも、田中はホームタウン大阪での、思い入れのある本イベントを復活の場とすることを選びました。これまでも何度か壇上で「いつまでこのイベントができるかわからない」と冗談めかして言ってきましたが、冗談でもなんでもなく、最終回は近いかもしれない、というか今回が最終回になるかもしれない。
復活といえば、この1週間だけでも「Ye、日本でのトラヴィス・スコットのステージでの奇跡の復活」を目撃し、その活動をつぶさに追ってきたファンならば誰も望んでいなかったであろうNewJeansのADORからの復活が決まりました。また、我々のトキシックな対話を昨年から華麗な仕切りで中和してくれている深町絵里さんも、今年は「洋楽カルチャーの最終回」(すみません、自分が勝手に言ってるだけです)となったオアシスの復活ライブをウェンブリーから東京ドームまで追いかけてきました。果たして今回のイベントが奇跡の復活となるか、誰も望んでいない復活となるか、あるいは洋楽カルチャー出身の我々にとっての「最終回」となるのか。それを決めるのは会場に集まってくれる皆さんです(Yeがあんなに楽しそうに「Through The Wire」をトラヴィスと2人で演ってくれたのもドームいっぱいのクレイジーなオーディエンスのおかげでした)。
思えば、このイベントを始めたのはコロナ禍に入ったばかりの時期、我々が2010年代の海外ポップカルチャーを総括した『2010s』の出版を記念してのことでした。第2期トランプ政権の混沌、文化戦争の終焉、ワーナー・ブラザースの日本撤退、『週刊少年ジャンプ』IPの世界的覇権の確立、ロザリアの『LUX』、チャーリーXCX(とエメラルド・フェネル)の『嵐が丘』。ディケイドの半分を過ぎたここにきて、ようやく2010sの清算が終わって、本当の2020sが幕を開けた感もあります。大病を経たことで、個人的にも今後の自分の役割について考えることも増えたのですが(答えは出ました)、必然的に遂に始まった本当の2020sを我々はどう生きるのか(そもそも生物的に生き抜けられるのか)、皆さんはどう生きるのか、という話になると思います。なにはともあれ、この日、田中宗一郎が3ヶ月ぶりにシャバに戻ってきます。皆さん、あたたかく迎えてあげてください。(宇野維正)
