00:00 I. Allegro con energia 08:29 II. Adagio maestoso 16:25 III. Stretto 22:09 IV. Finale ハンス・シュミット＝イッセルシュテット指揮 ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団 1962年2月録音 フランツ・ベルワルドの交響曲第1番ト短調「厳粛な交響曲」は、彼の交響曲の中でも特に独特な位置を占めています。この楽曲は1842年に完成され、ベルワルドが音楽的な成熟期に入っていた時期の作品です。彼の音楽は当時のスウェーデンではあまり理解されず、この交響曲も彼の生涯中には公開されることがありませんでした。しかし、後年になって彼の作品が再発見され、特にこの交響曲は彼の最も重要な業績の一つと見なされるようになりました。 1. **第1楽章: Allegro con energia** - この楽章は、力強いエネルギーとドラマチックな緊張感が特徴です。ト短調で始まり、豊かなオーケストレーションが印象的な序奏に続いて、主題が展開されます。ベルワルドは対位法的な技法と変奏を巧みに用い、激しくも情熱的な音楽を創り出しています。 2. **第2楽章: Adagio** - 深い感情が込められたこの楽章は、美しい旋律と繊細なオーケストレーションによって、内省的な雰囲気を醸し出しています。この楽章では、ベルワルドの旋律の扱い方と、色彩豊かな和声が際立っています。 3. **第3楽章: Scherzo: Allegro molto** - 軽快でリズミカルなこの楽章は、ベルワルドのユーモアと楽観的な面を示しています。中間部では、より抒情的なセクションが現れ、楽章全体にコントラストを与えています。 4. **第4楽章: Finale: Adagio - Allegro molto** - 終楽章は、静かな序奏で始まりますが、すぐに情熱的で力強い音楽へと移行します。この楽章ではベルワルドが展開する音楽的アイデアの幅広さと、彼のオーケストレーションの巧みさが際立ちます。最終的には、ト短調の主題が力強く再現され、作品を壮大なクライマックスへと導きます。